スーパーの青果コーナーや道の駅の直売所で、見慣れた扁平な丸型ではなく、ラグビーボールのような楕円形をしたかぼちゃを見かけて足を止めた経験はないでしょうか。「このユニークな形のかぼちゃは何という品種?」「普通の黒皮栗かぼちゃと味や使い方はどう違うの?」と気になった方も多いはずです。
その独特なフォルムを持つ野菜の正体は、種苗メーカーが技術の粋を集めて生み出した極上品種「ロロン」や、飛騨地方の伝統野菜「宿儺(すくな)かぼちゃ」です。一般的なかぼちゃを凌駕する滑らかな舌触りと濃厚な甘みを秘めたこの楕円形かぼちゃについて、品種の正体から失敗しない切り方、極上レシピまで取材班が徹底解明します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:ラグビーボール型かぼちゃの正体は、タキイ種苗の傑作「ロロン」や岐阜県飛騨地方発祥の「宿儺かぼちゃ」が代表格
- 要点2:繊維質が極めて少なくシルキーな舌触りと、栗を思わせる上品で高い糖度(熟成時で糖度15度前後)を誇る
- 要点3:楕円形の形状を活かした正しい切り方と追熟保存のコツさえ押さえれば、ポタージュやスイーツ、煮物まで幅広く楽しめる
【正体を暴く】ラグビーボール型かぼちゃの品種一覧|ロロンと宿儺(すくな)の違い
店頭で見かけるラグビーボール型のかぼちゃの品種として、現在全国で最も広く流通しているのがタキイ種苗が開発した「ロロン」です。2009年に登場して以来、その洗練された味わいとユニークな外見から爆発的な人気を博し、プロの料理人からも指名買いされる存在になりました。「ロロン」という愛らしい名前は、「まるでマロン(栗)のような味わい」と「ロマン」を掛け合わせて名付けられた経緯があります。
一方、古くから知られる楕円形・ヘチマ型のかぼちゃとして有名なのが、岐阜県高山市丹生川町を中心に栽培されてきた「すくなかぼちゃ(宿儺かぼちゃ)」です。薄い灰緑色の表皮に覆われ、長さが30〜40cmほどにまで成長する伝統野菜で、その名は飛騨地方の伝説の巨人「両面宿儺(りょうめんすくな)」に由来します。
ロロンが濃い緑色で端正なラグビーボール形状をしているのに対し、宿儺かぼちゃは淡いすりガラスのような色合いで細長い形状をしています。どちらも一般的な丸いかぼちゃに比べて皮が薄めで果肉の歩留まりが良く、上質な甘みを持っている点が共通の特徴です。
【味と糖度の秘密】ロロンかぼちゃの特徴|まるで栗のような濃厚な甘さときめ細かさ
ロロンかぼちゃの最大の特徴は、一度食べたら忘れられないキメの細かさと上品な甘さにあります。一般的な西洋かぼちゃ特有の粗い繊維感がほとんどなく、加熱するとまるで裏ごしをしたペーストのようにシルキーな舌触りへと変化します。
気になるロロンかぼちゃの糖度は、収穫後の適切な追熟を経ることで約12度から15度以上にまで達します。これはメロンや完熟バナナに匹敵する数値です。単に甘いだけでなく、ホクホク感としっとり感が絶妙なバランスで共存しており、まさに蒸した高級和栗を頬張っているかのような深いコクを楽しめます。
【旬の時期と追熟術】ロロンかぼちゃを最高に美味しくする保存方法
ロロンの美味しさを100%引き出すには、収穫時期と熟成のメカニズムを知ることが欠かせません。ロロンかぼちゃの旬の時期は、ハウスや露地栽培の作型により初夏から秋にかけて(6月〜10月頃)が最盛期となります。
かぼちゃは収穫直後よりも、風通しの良い日陰で寝かせる「追熟(ついじゅく)」を行うことでデンプンが糖へと分解され、甘みが飛躍的に増します。
家庭で行うロロンかぼちゃの追熟と保存方法のポイントは次の通りです。
- 丸ごとの場合:風通しの良い10〜15℃前後の冷暗所で保存。ヘタ周辺がコルクのように乾燥し、表皮の艶が落ち着いてきた頃が食べ頃のサインです。
- カット後の場合:傷みやすい種とワタをスプーンで綺麗に掻き出し、切り口にぴったりラップを密着させて冷蔵庫の野菜室で保管します。4〜5日以内に使い切るのが理想です。
【包丁がスッと入る】固い楕円形かぼちゃの切り方と下ごしらえのコツ
かぼちゃを切る際、「皮が固くて包丁の刃が挟まって抜けなくなった」という失敗は多いものです。しかし、ロロンかぼちゃの切り方は丸型かぼちゃよりもはるかに安全で簡単です。
ラグビーボールのような形をしているため、まな板の上で転がりにくいのが大きなメリットです。安全に切り分ける手順をマスターしておきましょう。
- 両端のヘタと先端を切り落とす:尖った両端を厚さ1cmほど切り落とし、平らな断面を作ります。
- 縦に立てて真っ二つにする:平らになった底面をまな板に密着させて立て、上から包丁をまっすぐ下ろして縦半分に割ります。
- 種とワタを取り除く:スプーンを使って繊維を残さずすくい取ります。
- 輪切りまたは半月切りにする:断面を下にして横向きに置き、端から好みの厚さにスライスしていきます。
皮が通常の西洋かぼちゃより比較的柔らかいため、刃先を無理にこじ開ける必要がありません。もし固さが気になる場合は、丸ごとラップで包んで電子レンジ(600W)で1〜2分ほど軽く加熱すると、驚くほど刃通りが滑らかになります。
【絶品レシピ】ラグビー型かぼちゃのポタージュスープと素材を生かした食べ方
繊維が少なく滑らかな肉質を持つ楕円形かぼちゃの食べ方として、まず試してほしいのがスープ料理です。特にラグビー型かぼちゃを使ったポタージュスープは、裏ごしの手間を省いても極上の口当たりに仕上がります。
【絶品!ロロンの濃厚ポタージュの作り方】
- 皮を薄く剥いたロロン(200g)と薄切り玉ねぎ(1/4個)をバターで軽く炒める。
- 水150mlとコンソメキューブ1/2個を加え、かぼちゃが柔らかくなるまで弱火で10分ほど煮る。
- ブレンダーやミキサーで滑らかになるまで撹拌する。
- 牛乳(または豆乳)150mlを加えて弱火で温め、塩・白コショウで味を調える。
このほかにも、素揚げにして塩を振るだけの「かぼちゃチップス・素揚げ」、滑らかなペーストを活かした「かぼちゃプリン」、角切りにして甘辛く炊き上げる「定番の煮物」まで、どんな調理法でも雑味のない豊かな風味を発揮します。
【家庭菜園でも大人気】ロロンかぼちゃの栽培・育て方のポイント
ロロンはその美味しさだけでなく、家庭菜園の愛好家からも高い評価を受けています。ロロンかぼちゃの栽培と育て方における最大の長所は、草勢(つるの伸びる勢い)が旺盛でうどんこ病などの病気に比較的強く、果実の肥大が良い点です。
栽培のポイントとして、着果(実をつけること)を安定させるために、朝の早い時間帯(午前8時〜9時頃)に雄花の花粉を雌花につける人工授粉を行うと結実率が格段に上がります。開花後およそ45日〜50日ほど経ち、果柄(ヘタの部分)がしっかりコルク化したタイミングが収穫のベストタイミングです。
【ラグビー ボール かぼちゃ】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:ロロンかぼちゃの皮は緑色のまま食べられますか?
A1:はい、美味しく食べられます。ロロンの皮は比較的薄いため、煮物や炒め物なら皮付きのままで全く問題ありません。ただし、ポタージュスープやプリンを鮮やかな黄色に仕上げたい場合は、皮を薄く削ぎ落として調理するのがおすすめです。
Q2:ラグビーボール型のかぼちゃが水っぽいと感じた場合の対処法は?
A2:収穫直後で追熟が足りていないか、夏場の高温期に急速肥大した果実の場合、一時的に水分が多く感じられることがあります。その場合は、風通しの良い日陰で1〜2週間ほど追熟させるか、スープ、グラタン、コロッケなど水分を飛ばしたり乳製品と合わせる料理に活用すると美味しくいただけます。
Q3:普通の丸いかぼちゃと栄養価に違いはありますか?
A3:基本的に丸型の西洋かぼちゃと同様に極めて高い栄養価を誇ります。抗酸化作用を持つβ-カロテン、ビタミンC、ビタミンE(ビタミンACE)が豊富に含まれており、美容や健康維持にも心強い緑黄色野菜です。
まとめ:見かけたら即買い推奨!ラグビーボール型かぼちゃの豊かな味わいを食卓へ
直売所やスーパーの棚でひときわ目を引くラグビーボール型のかぼちゃ。その実態は、一度味わえばリピートしたくなる極上の甘みときめ細やかな食感を備えたプレミアムな品種です。
切りやすく下ごしらえのストレスが少ないうえに、ポタージュから普段のおかず、スイーツまで多彩なアレンジに対応できる万能さも兼ね備えています。店頭で見かけた際はぜひ手に取り、その感動的な口どけと豊かな甘みを毎日の食卓で味わってみてください。 (出典: ラグビー ボール かぼちゃ(Yahoo!ニュース))