日産が誇る名車「ローレル」は、日本のモータリゼーション黎明期から1990年代の黄金期、そして2000年代初頭に至るまで、高級パーソナルサルーンの先駆者として一時代を築き上げました。スカイラインとシャシーを共有しながらも、より上品で大人の気品漂う佇まいと力強い走行性能を両立させ、多くのカーフリークを魅了し続けてきたモデルです。
生産終了から年月が経過した2026年現在、JDM(日本市場専用車)カルチャーの世界的過熱や旧車ブームの後押しを受け、初期型のヴィンテージ価値からFRターボ後期のドリフトベースとしての需要まで、その存在感は凄まじい再評価を受けています。本稿では、初代C30型から最終型C35型までの歴代モデルを古い順に辿り、スペックやデザインの変遷、今なお熱狂的な支持を集める背景を詳しく紐解きます。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:初代C30から8代目C35まで、ローレルは35年にわたり日産のハイソカー文化を牽引し続けた。
- 要点2:「ブタケツ」の異名を持つC130や、名機RBエンジンを積むC33・C35など世代ごとに強烈な個性を放つ。
- 要点3:2026年の中古車市場では海外流出や個体減少に伴い相場が高騰しており、プレミアム価値が定着している。
【歴代型式一覧】日産ローレルの歴史を古い順に振り返る系譜図
1968年に誕生したローレルは、全8世代にわたってモデルチェンジを重ねました。まずは全体の変遷を把握するため、歴代の型式と登場年次、主要な特徴を時系列順に整理します。
| 世代・型式 | 販売期間 | 代表グレード・トピック |
|---|---|---|
| 初代(C30型) | 1968年〜1972年 | ハイオーナーカーの先駆。4輪独立懸架を採用。 |
| 2代目(C130型) | 1972年〜1977年 | 通称「ブタケツ」「ガメラ」。6気筒L型エンジンを搭載。 |
| 3代目(C230型) | 1977年〜1980年 | 最高級グレード「メダリスト」が初登場。角目4灯フェイス。 |
| 4代目(C31型) | 1980年〜1984年 | 欧州調の空力ボディ(Cd値0.38)。L20ETターボ登場。 |
| 5代目(C32型) | 1984年〜1989年 | 世界初の電動格納ドアミラー。VG20ET/RB20E搭載。 |
| 6代目(C33型) | 1989年〜1993年 | 4ドアハードトップ専用ボディ。ピラーレス構造、RB20DET搭載。 |
| 7代目(C34型) | 1993年〜1997年 | 全車3ナンバー化。RB25DET搭載で走りの質感を大幅向上。 |
| 8代目(C35型) | 1997年〜2003年 | 「クラブS」と「メダリスト」の2本立て。NEOストレート6搭載の最終型。 |
【初代C30〜3代目C230】ハイオーナーカーの草分けと「ブタケツ」伝説
ローレル 初代 C30 年式は1968年(昭和43年)に遡ります。ブルーバードの上位、セドリックの下に位置する「日産初のハイオーナーカー」として市場に投入されました。当時の小型セダンとしては先進的な4輪独立懸架サスペンションを備え、欧州車を彷彿とさせる高い操縦安定性と気品をアピールしました。
続く1972年登場の2代目が、旧車シーンで絶大なカリスマ性を誇るローレル C130 ブタケツです。特に2ドアハードトップは、リヤコンビネーションランプをバンパー内に埋め込んだグラマラスでボリュームのあるリヤエンド造形から「ブタケツ」、フロントマスクの形状から「ガメラ」の愛称で親しまれました。直列6気筒のL20型やL28型エンジンを搭載した重厚な走破性は、今なおカスタムシーンや街道レーサー界隈の憧れの的となっています。
1977年に登場した3代目・C230型では、アメリカンラグジュアリーのテイストを色濃く反映。ここで後の代名詞となる豪華グレード「メダリスト」が初めて設定され、インテリアの質感と静粛性が飛躍的に高まりました。
【4代目C31〜6代目C33】ハイソカーブームの主役へ!ドリフト人気の原点
1980年代に入ると、日産 ハイソカー 歴史を語る上で外せない名車が次々と生まれます。1980年登場の4代目C31型は、アウトバーンを疾走する欧州サルーンを意識した直線基調のスラントノーズを採用。続く1984年の5代目C32型では、角型4灯ヘッドライトと直線美を極めたフォルムに加え、量産車世界初となる「電動格納式ドアミラー」を実用化するなど、先進テクノロジーのショーケースとなりました。
そして1989年、バブル経済の絶頂期に放たれた傑作が6代目C33型です。全車ピラーレス4ドアハードトップというエレガントなフォルムに、名機ローレル RB20 RB25 エンジン群(直列6気筒DOHCターボのRB20DETなど)を搭載。内装には高級家具メーカー「天童木工」の本木目パネルを奢るなど、ラグジュアリーサルーンとしての完成度を極めました。
このC33型は、S13シルビアやR32スカイラインと足回り・駆動系パーツの互換性が高かったことから、後年ローレル C33 ドリフト需要が一気に爆発。大柄な4ドアボディを華麗にスライドさせるドリフトベース車として、現在に至るまで国内外で熱烈な支持を集めています。
【7代目C34〜8代目C35】RB25搭載の円熟期と「クラブS」のラストラン
1993年登場の7代目C34型では、安全基準の強化や居住性向上のためセンターピラーを持つボディへと刷新され、全車3ナンバーサイズへと拡大。2.5LターボのRB25DET型エンジンを搭載したグレードが設定され、重厚感と怒涛の加速力を両立させたグランドツーリングサルーンとしての資質を磨き上げました。
1997年に登場した最終章・8代目C35型では、スポーティな「クラブS」とラグジュアリーな「メダリスト」の明確な2系列展開を実施。特にローレル C35 クラブSは、精悍な丸目4灯ヘッドライト風のインナーレンズとエアロフォルムを採用し、280馬力を発生する「NEOストレート6」RB25DET型エンジンを搭載したことで、走りを愛する大人のドライバーから絶大な支持を得ました。
一方のローレル メダリスト スペックも、上質なモケットシートや木目調パネル、しなやかな足回りを備え、パーソナルセダンとしての円熟した乗り心地を提供しました。
なぜ生産終了したのか?日産セダン再編の背景と2026年現在の評価
35年にわたり愛されたローレル 生産終了 理由には、2000年代初頭の市場環境の劇的な変化と日産の経営構造改革が深く関わっています。
当時、国内自動車市場ではミニバンやSUVへの需要シフトが加速し、伝統的な4ドアセダン市場が急激に縮小していました。さらに日産社内において、ローレル、セフィーロ、スカイラインなど複数のFR/FF中型セダンが自社競合を起こしていたため、モデルラインナップの合理化が急務となったのです。2003年、ローレルはセフィーロと統合される形で後継モデル「ティアナ」へとバトンを渡し、惜しまれつつその歴史に幕を下ろしました。
しかし、直列6気筒FR駆動のピュアセダンが市場から姿を消した2026年現在、ローレルの独自性は際立つばかりです。「上質なセダンでありながら、手足のように操れるスポーツ性能を持つ」という稀有なキャラクターが、再評価の熱波を生み出しています。
【2026年最新】ローレルの旧車・中古車相場と維持・購入のポイント
現在のローレル 旧車 中古車相場は、世代によって明確な住み分けとプレミア化が進んでいます。
- 第1〜2世代(C30 / C130):完全なコレクターズアイテムとなっており、特にC130型2ドアハードトップの良質車は1,000万円超の値がつくケースも珍しくありません。
- 第6世代(C33):ドリフト需要と北米輸出(25年ルール適用後)が重なり、状態の良いMT載せ替え車両やRB20DET搭載車は300万〜500万円前後で推移しています。
- 第8世代(C35):クラブSのRB25DET搭載車を中心に引き合いが強く、ノーマル極上車やMT換装公認車両は250万〜450万円前後と高止まり傾向にあります。
購入を検討する際は、年式相応の下回りサビ(特にリヤフェンダーやサイドシル)のチェックや、RBエンジン特有のオイル漏れ・電装系ハーネスの劣化状態を見極めることが肝要です。日産ヘリテージパーツの動向も注視しつつ、専門店と連携した維持体制を整えることが推奨されます。
【ローレル 古い 順】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:ローレルの歴代モデルで一番人気が高いのはどの型式ですか?
A1:旧車クラシックとしてのステータスでは「ブタケツ」こと2代目C130型、チューニング・スポーツ走行の分野ではピラーレス4ドアの6代目C33型および最終型C35型クラブSが圧倒的な人気を二分しています。
Q2:ローレルに純正でMT(マニュアル)設定はあったのでしょうか?
A2:初代からC33型、C34型初期までは一部グレードに純正5速MTの設定が存在しました。しかしC34後期やC35型では全車AT設定のみとなったため、現在流通しているC35のMT車は基本的にスカイラインやシルビアのミッションを移植した公認改造車です。
Q3:スカイラインとの最大の違いは何ですか?
A3:プラットフォームやエンジン(L型やRB型)などの基本骨格を多く共有していますが、スカイラインが「サーキット直系の硬派なスポーツ」を志向したのに対し、ローレルは「優雅で上質な大人のハイオーナーカー」として仕立てられていた点が決定的な違いです。
まとめ:時代を先駆けた高級パーソナルサルーンの不朽の輝き
初代C30から始まった日産ローレルの歩みは、日本のモータリゼーションが豊かさを求めて進化していった足跡そのものです。「ブタケツ」と親しまれたグラマラスな造形、ハイソカー旋風を巻き起こした直線美、そしてRB型直6ターボの咆哮とともに駆け抜けたハードトップ。時代ごとに提示された明確なコンセプトは、令和のいま見返しても色褪せることはありません。
直列6気筒×FRレイアウトというパッケージングが希少となった現代だからこそ、ローレルが放つ気品と力強さは、クルマ好きの心を掴んで離さない本物の輝きを放ち続けています。 (出典: ローレル 古い 順(Yahoo!ニュース))