けん玉の基本技として誰もが一度は耳にしたことがある「もしかめ」。大皿と中皿を交互にリズミカルに往復させるこの技は、童謡『うさぎとかめ』のメロディに合わせて練習するのが定番です。しかし、「もしもしカメよ カメさんよ」のフレーズに続く2番以降の歌詞を正確に歌える人は、大人でも驚くほど少ないのが現状です。
実はこの歌、知られざる5番までのフルストーリーが存在し、その詞には単なる昔話にとどまらない深い人生の教訓が刻まれています。本稿では、フルバージョンの全歌詞とその歴史的背景から、けん玉検定における級位認定基準、さらには驚異のギネス世界記録や失敗しない練習のコツまで、現場取材と客観データをもとに分かりやすく解説します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:「もしかめ」の元歌は明治34年に発表された童謡『うさぎとかめ』であり、教科書では省略されがちな全5番までの完全な物語が存在する。
- 要点2:日本けん玉協会の公式検定では、級位取得に50回〜1,000回以上の連続成功(規定テンポ1分間135回以上)が求められる。
- 要点3:成功の鍵は腕力ではなく「膝の上下運動(スクワットのリズム)」にあり、反復リズムがもたらす集中状態(フロー体験)が上達を加速させる。
【全歌詞公開】けん玉の「もしかめ」歌はどこまで続く?意外と知らない全5番の真相
けん玉技の名称として定着している「もしかめ」ですが、その公式な楽曲名は1901年(明治34年)の『幼年唱歌』に掲載された童謡『うさぎとかめ』(作詞:石原和三郎、作曲:納所弁次郎)です。一般的には1番や2番のみが広く歌われていますが、物語はしっかりと5番まで完結しています。
以下が、現在に伝わる『うさぎとかめ』のフルコーラス全歌詞です。
【1番】
もしもし かめよ かめさんよ
せかいのうちで おまえほど
あゆみの のろい ものはない
どうして そんなに のろいのか
【2番】
なんと おっしゃる うさぎさん
そんなら おまえと かけくらべ
むこうの こやまの ふもとまで
どっちが さきに かけつくか
【3番】
どんなに かめが いそいでも
どうせ ばんまで かかるだろ
ここらで ちょっと ひとねむり
グーグー グーグー グーグーグー
【4番】
これは ねすぎた しまったな
ピョンピョン ピョンピョン ピョンピョンピョン
あんまり たれても こまります
あんまり たれても こまります
【5番】
うさぎの あとから ついてくる
あるけば のろい かめだけど
とうとう さきに かけついた
ばんざい ばんざい ばんざいな
多くの人が「2番でウサギが寝て終わり」と誤解していますが、4番でのウサギの激しい焦りや、5番のカメの誇らしいゴール風景まで歌い切って初めて一つの叙事詩となります。けん玉を持ちながら全番を歌い切るには、およそ1分30秒〜2分間の連続往復動作が必要です。
歌詞に隠された深い教訓と歴史|なぜ明治時代から歌い継がれているのか
本作の原典はイソップ寓話の『亀と兎』ですが、明治期の教育界において子どもの道徳心と克己心を育むための教材として翻案されました。心理学や教育社会学の視点からこの歌詞を分析すると、極めて明確な人間行動のコントラストが浮かび上がります。
ウサギが犯した過ちは単なる油断ではなく、「他者(カメ)との比較にのみ意識を奪われていたこと」にあります。相手を見下すことで慢心が生じ、途中で眠り込んでしまいました。対照的にカメは、ウサギの嘲笑に感情的になることなく、ひたすら「向こうの小山のふもと(ゴール)」という目的のみにフォーカスし続けました。
けん玉における「もしかめ」の練習もまったく同じ構造を持っています。回数を自慢したり他人のペースを気にしたりすると、手元が狂って玉を落とします。無心になって一定のリズムを刻み続けるカメの精神性こそが、この技を習得する上での本質的な心得といえます。
【検定データ比較】けん玉「もしかめ」の級位認定基準とギネス世界記録
けん玉の競技シーンにおいて、「もしかめ」は単なるウォーミングアップではなく、持久力とフォームの正確性を測る最重要規定種目の一つです。公益社団法人日本けん玉協会(JKA)をはじめとする公式検定では、明確な合格基準が設定されています。
| 検定レベル・項目 | 規定回数・条件 | 基準テンポ・所要時間 | 難易度と現場の評価 |
|---|---|---|---|
| けん玉道 級位(6級〜1級) | 4回〜最大400回(1級:400回) | 135回以上/分(約3分間) | 基礎技術の定着。1級の400回は集中力の持続が試される登竜門。 |
| けん玉道 準初段〜段位 | 500回〜1,000回(段位一律1,000回) | 135回以上/分(約7分30秒) | 膝の耐久性と無心の境地が必要。途中の数え間違い防止も重要。 |
| ギネス世界記録(公式最高値) | 連続8時間以上(数万回) | 途切れなしの規定動作 | 人間の集中力と筋持久力の極限。肉体・精神の両面で超人レベル。 |
日本けん玉協会の公式ルールでは、テンポは「1分間に135回以上」と定められており、遅すぎる動作はカウントされません。段位審査で課される1,000回をクリアするには、約7分30秒間にわたり一瞬の乱れもなく膝を曲げ伸ばし続ける必要があります。
【実態検証】初心者が100回連続で成功させるための決定的なコツとテンポ
指導現場のインストラクターや熟練競技者の実技分析から、もしかめが続かない初心者の典型的な失敗原因は「手の力だけで玉を制御しようとしていること」に集約されます。
安定して100回以上継続するためのポイントは以下の3点です。
- 1. 腕ではなく「膝」で玉を浮かす:大皿・中皿の移動時に手首を急激に返すのではなく、膝を軽く曲げて玉を受け止め、膝を伸ばす勢いで玉を真上にふわりと浮かせます。手元は皿の向きを水平に保ちながらスライドさせるだけです。
- 2. 一定のメトロノームテンポ(BPM 135)を身体に刻む:頭の中で「もし・もし・カメ・よ」と口ずさむことで、呼吸が整いリズムの乱れを防げます。焦ってテンポが速くなると玉の軌道が暴れやすくなります。
- 3. 視線は「玉の頂点」に固定する:皿を見るのではなく、浮き上がった玉の最も高い位置を見つめることで、次の皿へ落とし込むタイミングを正確に捉えられます。
【プロの結論】反復運動が脳に与える「フロー体験」と集中力育成
現代社会において、短尺動画やSNSの過剰な情報接触により、人々の注意持続時間(アテンション・スパン)の低下が指摘されています。そうした中で、けん玉の「もしかめ」のようなシンプルな反復動作が再評価されています。
心理学者ミハイ・チクセントミハイが提唱した「フロー(極度の集中と没入)」理論において、明確なルールがあり、即座にフィードバックが得られる単調なリズム運動は、脳の雑念を消し去るマインドフルネス効果が高いとされています。もしかめを数分間続けるだけで、余計な不安や思考が遮断され、驚くほどの精神的リフレッシュが得られます。
【プロの判断基準】けん玉の反復練習に向いている人・慎重になるべき人
▼積極的に取り組むべき人:
- 日常的な集中力を高めたい受験生やデスクワーカー
- 体幹や下半身の軽度なバランストレーニングを取り入れたいシニア層
- 短時間で深いリフレッシュやデジタルデトックスを体感したい人
▼フォーム調整や注意が必要な人:
- 膝や腰に重い関節痛を抱えている人(浅い屈伸運動から始めるか、椅子に座った練習を推奨)
- 早く結果を出そうと手首や腕だけに過度な力を入れてしまう人(腱鞘炎のリスクがあるため脱力が必要)
【もしかめ 歌詞】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:けん玉の「もしかめ」で歌うのは童謡『うさぎとかめ』だけで決まりですか?
A1:公式検定や大会では無言で行っても問題ありませんが、リズムキープの練習用としては『うさぎとかめ』が世界標準です。テンポが合えば他の童謡(『桃太郎』や『浦島太郎』など)に合わせて練習する愛好家もいます。
Q2:1番の歌詞にある「あゆみののろいものはない」は差別的な言葉ではないのですか?
A2:明治時代の教育唱歌として作られた歴史的背景があり、ウサギの「傲慢と油断」を表現するための文学的対比として書かれています。最終的に努力を続けたカメが勝つという道徳的教訓を際立たせる構成です。
Q3:もしかめがどうしても10回以上続きません。まず何から修正すべきですか?
A3:まずは玉を乗せる皿を「大皿」だけに固定し、膝を使って真上に玉を上げて大皿でキャッチする「大皿ジャンプ」を20回連続で練習してください。皿を入れ替える前に、上下動の感覚を膝に覚えさせることが最短の近道です。
まとめ:リズムを身体に刻み込んで「もしかめ」を完全攻略しよう
けん玉の「もしかめ」は、単なる手遊びの枠を超えて、明治から受け継がれる教訓的な歌詞の物語性と、研ぎ澄まされた身体操作が融合した伝統技術です。全5番にわたる歌詞の意味を噛み締めながら、焦らず着実に膝を使ったリズムを刻むことで、技の安定感は飛躍的に向上します。
まずは『うさぎとかめ』を口ずさみながら、10回、50回、そして級位合格の目標となる100回を目指して、日々の練習を一歩ずつ積み重ねていきましょう。 (出典: も しかめ 歌詞(Yahoo!ニュース))